第3章 secret.2 正体
烙抖は朝に弱い。
やっぱり吸血鬼って夜行性なのかな?
蓮華はとりあえず身だしなみを整えることにした。
顔を洗い、制服に着替える。
あげた髪をおろして、櫛でとかす。
…学校。
烙抖はちゃんと一人で待っていられるだろうか。
万が一外に出られて騒がれると大変なことになる。
烙抖は意外と世間知らずなのだ。
制服のネクタイを締めて、リビングに戻る。
烙抖はまだ寝ていた。
「烙抖くん、起きて!」
「ん…」
蓮華は烙抖の体を揺らすが、ちっとも起きようとしない。
「もう…」
ちらっと時計を見る。
そろそろ朝ごはんを食べないと学校に遅刻する。
仕方なく蓮華は一人で朝ごはんを食べることにした。
「いただきます」
手を合わせたあと、目玉焼きに箸を伸ばした瞬間パシッと後ろから手を取られる。
「何一人で食おうとしてる」
何かがのっかかるような重みを感じた。
「…あ」
「今日は起きるの早いな…」
肩口に顔を乗せて、烙抖は眠そうな声をあげた。
「おはよう。今日学校だから」
「学校…そうか」
烙抖は蓮華を離すと向かいに座って、同じように朝ごはんを食べ始める。
学校の意味分かってるのかな?