第3章 secret.2 正体
ピピピッ…ピピピッ…
目覚まし時計が朝を告げる。
カチッ
枕に顔を埋めながら、蓮華は手を伸ばした。
「ん…」
眠い目を擦って蓮華は大きな伸びをする。
ベッドから降りて部屋を出る。
長い髪をまとめて、蓮華はリビングの扉を開けた。
烙抖はソファーの上で規則正しい寝息をたてている。
本当、見た目は普通の人間なのに…。
昨日布団を引いてあげたのだが、烙抖はそれを‘ベッドがいい’と拒んだ。
ベッドは1つしかないんだもん。
一緒に寝るわけにはいかないので、今度ベッドを買うと言うことで烙抖が折れた。
そしてベッドを買うまで烙抖はソファーに寝ることになったのだ。
今日の学校帰りにでも買ってこようかな…。
そう、今日は月曜日。
高校生の蓮華にはもちろん、学校生活が待っている。
キッチンに入った蓮華は早速朝食の準備を始めた。
フライパンに油を引いて卵を焼いていく。
今日のメニューは目玉焼きに味噌汁にサラダ。
「ん、出来た」
テーブルに並んだ料理を見ながら、蓮華は烙抖に目をやった。
「まだ寝てる…か」