第2章 secret.1 契約
微笑みながらオムライスを食べている蓮華を見ながら、烙抖は小皿に入っているオムライスをつつく。
これは蓮華が烙抖用に小皿に移してくれたものだ。
だいぶ落ち着いたな。
蓮華は最初にあった時の穏やかな声をしていた。
血が馴染んできた…か。
烙抖の視線に気づいて蓮華が顔をあげる。
「どうしたの?」
「なんでもね」
ふいっと視線を外す。
血の契約。
互いの血を取り込むことで、その血が馴染むまでは相手の血に影響される…。
あいつらが言ってた通りだ。
「ごちそうさまでした」
手を合わせた蓮華は、皿を片付けるためにキッチンに向かう。
そんな蓮華の様子を見ながら、烙抖はため息を吐いた。
「天羽…くん、食べないの?」
遠慮がちに蓮華は烙抖の名前を呼ぶ。
「烙抖でいい」
「じゃあ、烙抖くん」
烙抖は小皿に入っているオムライスを平らげて、その皿を蓮華に渡す。
蓮華はキッチンに戻り小皿を洗う。
やがて手を拭きながら近づいてくる蓮華。