第2章 secret.1 契約
「ふぅ…」
湯船の中で息を吐く蓮華。
あったかいお湯が身に染みる。
やっと一息つけるって感じだな。
自分の体をまじまじと見た。
傷がついていたりすることはなかった。
首筋と手首を除いて。
ざばっ…
もともと長風呂が出来ない蓮華は、2分も浸からないうちに湯船からでた。
「…?」
風呂から出る前に確認した自分の体に違和感を感じる。
湯気で曇った鏡を拭いて、自分の胸元を見る。
自分の目では確認しにくい部分。
そこは赤く、あざが出来ていた。
どっかで打った…?
昨日の洋館では打った覚えはない。
ほっとけば治る…か。
さして気にもせずに風呂場を後にした。