第10章 君に会いたい
私がこの高校に入ったとき、先輩はここにいた。
1コ上の2年で、有名人で人気者でモテてた。
1年のときは、その姿をなんとなく見ていた。
2年の春、私は先輩とそういう関係になった。
なんでそういうことになったんだっけ。
細かいことは忘れたけど、多分、私が先輩のこと、もの欲しそうな顔で見てたんだろう。
先輩はわかるから、そういうの。
先輩は心が読める。
sex してるとそう思う。
キスして欲しいときに、必ずキスしてくれる。
…
先輩の部屋に初めて誘われた日、キスくらいはされてもいいなって思った。
モテモテのかっこいい先輩とファーストキス。
悪くない経験だと思った。
でも結果的には最後までしちゃった。
先輩は
「いいの?」
って、優しく聞いてくれた。
迷わなかったわけじゃない。
でも私は勝てなかった。
好奇心とその快楽に。
私はモテモテのかっこいい先輩と初体験した。
悪くないと思った。