第9章 クリスマスですよ! 先輩
「先輩! おはようございます」
朝の校舎で先輩に会ったから、私は挨拶する。
今は本当に朝です。
「おはよう、田中さん」
先輩が笑顔で挨拶を返してくれる。
なんとなく顔をじっと見ちゃう。
昨日のパソコンの中の人と同じ人なのかなって。
「えっ…」
先輩がちょっとひるむ。
「私、昨日ちゃんと勉強しましたよ」
アピールしてみる。
「そうなんですか。偉いですね」
先輩がニッコリ笑って答える。
よしよしぎゅっぎゅはナシ。
まぁ…そうか。
…
期末試験が終わって、部活が始まる。
でもすぐ冬休みだけど。
私は先輩の周りの様子をつねにうかがってる。
女の影はなし。
終業式の日、クリスマスイブの予定も特になし。
ふむ。
…
期末が終わったので、夜、またゲームにログインするようになった。
「先輩、おはです(^o^)/」
『おは(^o^)/ うれしいな。ゆうぽん、また会いに来てくれた? なんちゃって\(//∇//)\』
「うふ。会いに来たんですよ〜ぎゅっぎゅ」
『|( ̄3 ̄)| ちゅー』
うわっ、ちゅーされた。
『ねぇ、ゆうぽん。クリスマスイブも来てくれる?』
「はい! 絶対来ますよ」
『わーい。プレゼント用意しておくから楽しみにしててね』
「プレゼント? なんですか?」
『ヒミツ』
…