第9章 クリスマスですよ! 先輩
その夜、私は久しぶりにオンラインゲームにログインしてみた。
『おは^ ^』
すぐに先輩からメッセが飛んできた。
「おはでーす(^o^)/」
私もすぐに挨拶を返す。
夜なんだけどね。
『おひさだね。ゆうぽん』
ハンドルネームで親しげに呼びかけてくれる。
ていうか、昼会ったけど。
「期末テストが不安で…でも今日はちょっと息抜きです」
本当はちょっとゲームに飽きてるんだけどね。
『そっか〜ゆうぽんは偉いね。よしよしぎゅっぎゅ』
リアルで絶対そんなことしそうにないけど。
「先輩は勉強しなくて大丈夫なんですか?」
先輩は頭いいもんな…。
でもいちおう聞いてみる。
『してるよ〜。今、パソコンの前で』
そうなんだ。器用ですね。
てかそれログインしてる意味あるんですかね。
『レベ上げ行く? 勉強する?』
「うーん、今日は落ちます。先輩と違ってちゃんと勉強しないとヤバイですから」
『俺もちゃんとやってるよ( ̄▽ ̄)』
オンラインになると、どうして一人称が変わるんでしょう。
『でもゆうぽんのそういうマジメなとこ好き。さすがマイハニー\(//∇//)\』
結婚してるの。ゲームの中で。
「あんまり構ってあげられなくてごめんね〜。テスト終わったらまたログインするから(^з^)-☆」
ノリを合わせて返事する。
『うん! またね(^з^)-☆』
…
パソコンの画面を落とした私は改めて思う。
パソコンの中の先輩は別の人なのかな?