第9章 クリスマスですよ! 先輩
12月に入ったばかりの日。
「先輩、クリスマスの予定は? 24日とか」
高校の放送部の1コ上の2年生、松島先輩に私はクリスマスの予定を尋ねた。
「え? クリスマス? 僕には縁がないですね…。あぁ、オンラインゲームでクリスマスイベントがあるから…それにログインしないと。田中さんも当日都合が良ければ、ぜひ一緒に」
オンラインゲーム…か。
数ヶ月前、先輩がハマってるオンラインゲームがあるのを知った私は、さりげなく
「何か面白いゲームないですか?」
って先輩に聞いてみた。
そしたら、そのゲームの招待コードを教えてくれて、ログインしたときはレベル上げを手伝ってくれたりした。
私がゲームの質問をすると嬉しそうに先輩は答えてくれる。
でも、いい加減気付いて欲しい。
私が興味あるのはゲームじゃなくて先輩だってこと。
「クリスマスの夜を先輩と過ごせるなんて…いいかも! 久しぶりにログインしよっかな」
「あるフィールドで雪が降るって噂もあるんですよ。きっと綺麗だと思います。あ、多少サーバーが重くなるかもしれませんが」
そうなんだぁ。サーバーのない世界の予定はどうなのかなぁ。
私は尋ねてみる。
「えと…夜はゲームとして。お昼は何してますか? 終業式終わった後」
「…特に。普通の平日ですね」
そっか、誰か他の女の子と約束してるとかはないんだよね。
ないと思うけど。
「私もないんですよ」
私はニッコリ笑って先輩にアピールする。
「そうなんだ」
先輩もニッコリ笑って答える。
……。
ふふ…会話終わった。