第7章 ねぇ良太
ひとりで下校する。
良太の家の前で立ち止まる。
……。
えと…小学生のときなら用事があれば、ここから
「良太ぁー!」
って、大声で呼びかけた。
でも、高校生にもなってそれはちょっとな。
電話する? いや、それも変?
やっぱインターホン?
ピンポンすればいい?
そういえば今までどうしてたんだろ。
なんかいつも、用事があったり、私がちょっと良太と話したいな、ってときは良太が先に声をかけてくれたんだ…今まで。
とりあえず、私はインターホンを押そうとする。
ガラッ
2階の窓が開く。
良太だ。
私は上を見上げる。
「わざわざ、そんなもん押さなくても名前を呼べばいいだろ。待ってて」
私を見下ろして良太が言う。
私はニッコリ笑って頷く。