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渡り廊下で恋をした

第6章 ねぇどっち?後編


「明日…何か約束しているんですか? 彼と」

ちょっとぼうぜんとしてた私に遠藤くんが問いかける。

「明日…? ううん、約束はしてないけど…毎朝玄関出るとき、あの子待ってるから…そのことかな?」

「へぇ…田中さん。毎朝、彼と会った後に、俺と会っていたんですね」

ベッドに足を組んで腰掛けた遠藤くんが、私に微笑む。

…ていうか、そうだけど。
なんか悪いの? 私?

「そう…だよ?」

悪くないと思うけど…
なんとなく気まずいのはなぜ…

「まぁ、そういう少し緩くて頼りないところも田中さんの魅力ではあると思いますが…
そろそろ決めたほうがいいんじゃないですか? どっちにするか。
彼も思いつめているようですし」

「えっ…」

「彼も俺も、君のことが好きなんです。どちらを選びますか? 田中さん」

「えっ…えっ? 遠藤くん…えっ?」

「ちなみに俺は心が広くないんで、交際は断られたけどお友達として…とかナシですから」

「……」

私は言葉を失う。

遠藤くん…そうなの?
ていうか、遠藤くんは良太もそうだって思ってるの?
ていうか…お友達はナシって…
もう一緒に勉強したり、登下校したり、本の貸し借りもしないってこと…?

「まぁでも田中さんみたいなボンヤリした人からしたら、そんなこといきなり言われてもって思うかもしれませんね。考える時間は作りましょうか。
そうですね…3日」

「3日?」

私は思わず復唱する。短くない?

「そう、3日。3日後までは今まで通り、友達としてよろしくお願いします。その先は…田中さんが決めてください」

……。

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