第6章 ねぇどっち?後編
私は遠藤くんに、ちょくちょく勉強を教えてもらうようになった。
勉強面では不安ばかりなので、気軽に聞ける人が出来て、すごく助かってる。
読んだ本の話とかもしたりして、一緒にいるとかなり楽しい。
もうすぐ定期テスト。
遠藤くんが家に来てくれて、じっくり勉強を教えてもらうことになった。
放課後、遠藤くんと一緒に家に帰る。
ガラッ
良太の家の前で、窓が開く音がしたので、私は上を見上げる。
「ゆう…」
良太が窓ぎわの机に乗っかって、身を乗り出して、こっちを見下ろす。
「ただいま、良太。危ないよ。落ちるよ」
私は良太に声をかける。
「受験生に向かって落ちるとか言うな! バカ!」
ガラガラッ、ピシャッ
良太は不機嫌そうに音を立てて窓を閉める。
「…彼氏ですか? 田中さん」
隣にいた遠藤くんが私に尋ねる。
「違うよ。隣の子。中3なの。受験勉強が大変みたいで最近機嫌悪くて…」
「へー…」
私の説明を聞いた遠藤くんが相づちを打つ。