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渡り廊下で恋をした

第5章 ねぇどっち? 前編


次の朝。駅でいつものように電車を降りる。

「おはようございます。田中さん」

「ん? 遠藤くん。おはよう」

駅のホームで遠藤くんに声をかけられる。

「昨日は生徒手帳を届けていただいてありがとうございました。お礼に何かおごりますよ。おしるこでも」

遠藤くんがニッコリ笑って、Suicaで自販機を指す。

「え…いいよ。そんなの」

「いえ、せっかくですから。お近付きのしるしです。ぜひ」

「いいの? じゃあ…おごってもらおうかな」

「何にしますか? おしるこですか?」

「…何? 私ってそんなにおしるこ飲んでるイメージなの? んと…今日はカフェオレにしよ」

遠藤くんがSuicaでピッてして買ってくれる。

遠藤くんもコーヒーを買って一緒に飲む。

「何度か田中さんが、ここのベンチでおしるこを飲んでいるのを見かけたことがあります。とても似合ってて可愛かったもので」

「朝ごはん代わりに、たまにね」

はは…おしるこ似合うんだ、私。

「おしるこが朝ごはん? 斬新ですね。でももっと食べないと。細すぎですよ、田中さん」

「え? 別にそんなことないでしょ。普通でしょ」

「昨日手首握ったとき、折れるかと思いました。もう少し、肉付けたほうがいいと思いますよ」

遠藤くんがニコニコして言う。

そういえば…昨日手首握られたな…。

なんか…

気持ち悪!

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