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渡り廊下で恋をした

第5章 ねぇどっち? 前編


放課後。今日は部活がない日なのでまっすぐ帰る。

「ゆうー! おかえり!」

歩いてきた私をみつけて、良太が2階から手を振る。

「ただいまぁー。着替えたら行くね」

「そのままおいでよ! おやつ買ってあるからさぁ。待ってて、カギ開けに行く!」

良太が窓から離れる。
そして玄関のカギを開けて出てくる。

「どうぞ、ゆう」

「ありがとう。お邪魔します」

「ほら、ゆうの好きな白いプリン」

良太が冷蔵庫からコンビニの袋を出して、プリンとスプーンをテーブルに置いてくれる。

「良太が買ってきてくれたの? いただきます」

「うん。勉強教えてもらうお礼」

「そんな気をつかわないでいいのに。でも、ありがと。良太はおやつもう食べたの?」

「僕は帰ってきて即効カップラーメン食べたよ」

「えー? おやつにカップラーメン? 部活引退したのにそんなに食べて大丈夫?」

「余裕! 育ち盛りだからね。僕、背もまだまだ伸びるよ。見てて!
ていうか…プリンもやっぱ美味しそう。ひとくちちょーだい」

そう言って、良太は身を乗り出し、口をあーんって開ける。

「はい、あーん」

私はスプーンでプリンをひとくちすくって、良太の口に入れる。

「美味しい! ふふ、ゆうと間接キスしたぁ」

良太が嬉しそうに微笑む。
ちょっと可愛い。

「ふふっ、ホントだ。間接キスだね」

私は残りのプリンをパクパク食べる。

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