• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

渡り廊下で恋をした

第4章 渡り廊下で恋をした


木曜。

僕はいつものように予鈴の鳴る少し前、化学室を出る。

渡り廊下を渡る。

……。

あの子といつも一緒に歩いてる子がひとりで歩いてきた。

今日はあの子休みなのかな…。

一週間にたったひとつの楽しみが。

僕は少し寂しくなる。

でもどうせ。

どうせ交わることのない、僕と君の世界。

明るい太陽の光が降り注がない僕の世界。

…

教室に戻ると、僕の席の周りで運動部の女子たちがお菓子を食べていた。

席替えで溜まり場が変わったようだ。

僕の椅子にも女子が座ってる。

短いスカートで行儀悪く足を組んでいるからパンツが見えそうだ。

悪いけどどいて、って言わないといけないのか。面倒だな。

僕は小さくため息をつき、自分の席に向かう。

「あっ、ごめんごめん。イス借りてた」

僕の椅子に座ってた女子が、僕の顔を見てサッと立ち上がる。

「…別に」

そう答えて、僕は自分の椅子に座る。ちょっとあたたかい。

意外だな。席替えしたばかりなのに、ここが僕の席だって知ってたんだ。

「食べる?」

別の女子が、上が開いたポッキーの小袋を差し出す。

「…ありがとう」

僕は一本受け取り、礼を言う。そしてそれをかじる。

予鈴が鳴ると、彼女たちはワァワァ騒いでお菓子を片付け始める。

小袋に残ったポッキーを手分けして口に放り込む。

「はい! 横山もっ」

最後の一本がピョコッと飛び出たポッキーの小袋を僕に差し出す。

僕はその一本を受け取り、口に入れる。

その子は満足そうにニッコリと笑った。

/ 77ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp