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渡り廊下で恋をした

第1章 好きって言って


「うっ…わぁあ! ゆうちゃん! ちょっと!」

直樹が飛んでくる。

「ちょっと直樹ー。こんなとこに隠してるから、落としたのかと思って拾っちゃった」

私は笑う。

「返してっ! ねぇ返して。ゆうちゃんはそんなの読んじゃダメッ!」

「えーズルイ。直樹は読んでるんでしょ? えっと…まずは彼女を喜ばせるディープキスの仕方…。そんなのあるんだ…」

私は思わず、文字に目をやる。

「ダメッ!」

直樹が雑誌をバッと取り上げる。

バランスを崩して、直樹がベッドに倒れこむ。

私も…巻き添えでベッドに転がった。

直樹の下敷きに。

「きゃっ…」

「あっ…ゆうちゃん…ごめん…」

……。

身体の距離0cm…完全にくっついて…顔も…超近い…。

恥ずかしい…けど…直樹の目…なんか離せない…。

しばらく…どれくらいかわからないけど、長いような短いような…そんな時間、私たちは見つめあって…

直樹は私の唇にキスした。

唇が…唇がくっついて…

それは思ってたよりずっとやわらかくて…

身体が…直樹の身体全部が私にくっついてて…

それはなんかすごく熱いような気がして…

でも熱いのは自分の身体かもしれない…

直樹が唇をそっと離す。

目を開けるけど…直樹の顔が見れない。

超顔赤いかも…どうしたらいいかわからなくて…

私はまた目を伏せる。

「ゆうちゃん…口開けて…」

私の頬にそっと手を触れて、直樹がささやく。

直樹の声…不思議…そんなに…セクシーだっけ…

私は言われた通り、口を開ける。

そこに直樹は再び唇をつける。

開いた唇から、直樹の舌が差し込まれる。

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