第1章 好きって言って
期末テスト前も一緒に帰って、一緒に勉強した。
夏休みは春休みと同じように、私の部活とか用事がない日は直樹の部屋で遊んだ。
たまにうちに来て、弟にテレビゲームを教えてくれたりもした。
直樹の部屋の学習机は、私がうるさく言わなくてもだいぶ片付いてるようで私は満足だった。
「昨日、遅くまでマンガ読んでたから眠い。ちょっとだけベッドで寝ていい?」
「うん、いいよ」
夏休み、毎日のように部屋にいて、すっかり慣れて、直樹の部屋で昼寝もするようになっちゃった。
同じマンションなんだから、自分の家の部屋に帰って寝ればいいんだけど、私はちょっとでも一緒にいたくてここで寝ちゃう。
直樹もそんなこと全然気にしてないみたいだし。
ベッドに上がったとき、ふと違和感。
なんか…ん…? なんで、こんなとこに本があるのかな?
ベッドと壁のすき間に、何か雑誌みたいなのが見える。
落ちちゃってほったらかしなのかな。
相変わらず、だらしないとこ残ってるんだから…。
私はすき間に手を入れて雑誌を拾う。
……。
水着…よりもきわどい女の子の表紙。見出しには『How to SEX』とかある。
これは、もしかして…エロ本…?
直樹…こんなの見るの…?
私は思わずページをめくる。
……。
表紙よりもさらにきわどい…というか、かなり直接的な写真と内容…。