第2章 sugar.1
いつから起きていたのか。
やけにはっきりした声色に心臓の音がうるさくなる。
「真澄…指先が冷たい」
絡みあった指先から歩の体温が伝わり冷たい指先がじんわりと暖かくなる。
「…っぁ」
突如…歩の指先が体を這い、胸の突起を指先が掠めた。
ヤった後だからなのか、いつもよりも研ぎ澄まされた快感に自分でも驚きを隠せない。
「…真澄…」
「ゃ、っだ…まだ辛い…んっ。からぁ…」
はあっと口から吐息が零れる。
歩の指先は俺の腰辺りをゆっくりと撫で回し、温かく湿った舌が首筋を舐め上げる。
「分かってるよ。これ以上はしない」
そう遠ざけられると、それはそれで少し寂しいと思ってしまう自分にそっと下唇を噛んだ。