第2章 sugar.1
なんか…恥ずかしい。
込み上げてきた感情を振り切って俺は歩に背を向け、布団の中で丸まった。
寒い室内の空気が肌に触れないように布団を上まで引っ張り上げる。
外はまだ暗い。
部屋は静か。
うとうとと、心地の良い眠気がゆっくりと俺の意識を奪ってい…くことは無かった。
「…なんで俺に背中向けてんの?」
「…っ…!」
突如耳元で囁かれた言葉と共に、ぐっと体に巻きついた細い腕に引き寄せられ、俺の体は歩の体にピッタリとくっ付いてしまう。
背中からとくん、とくんと伝わる歩の心臓の音と体温に心臓が高まった。