第2章 sugar.1
それから二人の間には沈黙がおち、お互い黙ったままで携帯を弄ったりしていた。
俺は少し気まずい雰囲気に耐える事が出来ず、ソファーの上に体を寝かせる。
「寝るの?」
「ん」
もぞもぞとソファーの上で体が落ち着く態勢を探りながら答えると、彰は組んでいた足を戻し俺に視線を送る。
それは俺の足を枕代わりにしていいよ、と言う合図。
数秒考えてから、俺もいつものようにそこに頭を乗せる。
安定の安心する感触に体の力を抜いて目を閉じる。
眠りに誘われるまでの間、俺の頭を撫でていてくれた彰の手は何かに迷っているように感じた。
ただその答えを追求することはせず、何も気づかない振りをして俺は意識を手放した。