第2章 sugar.1
じゃあ俺が痛みに苦しむことも無かったと言う訳だ。
「…損した気分…」
ズキズキと未だに痛む腰に意識を向けてボソリと呟く俺の頭を、気の毒そうに撫でる彰の手のひら。
「勉強になって良かったね」
馬鹿にされているような感じがしたが、勉強になったのは確かなので、言い返すことはせずに唇を尖らせるだけに留める。
…俺が上になればもうこんな思いをしなくてもいいのか。
女を抱く時の主導権はこっちにある訳だし、少し構造が違うだけで歩を抱けない訳ではない。
逆に主導権を握ってしまった方がやり易いだろう。
言ってしまえば、歩の体は華奢で色白で他のどの女子よりも肌が綺麗だ。
それに加えてあの可愛さ。
「…抱ける!」