第2章 sugar.1
「男同士…、体は同じ構造です」
「当たり前だろ…」
誰でも分かるような事をわざわざ口に出す彰の気持ちが到底理解出来ず、俺はその次の言葉を待つ。
「つまり男同士でヤるなら…」
「ヤるなら…?」
前屈みになって顔から両手を離した彰の真剣な瞳に、俺も無意識に体に力が入る。
たっぷりの間をとって口を開いた彰の動作が俺の目にはスローモーションに見えた。
「どっちがどっちでも構いません」
…………?
どっちがどっち…。
どっちが………。
「あ…っ……!」
そこまで来てやっと俺は全てを理解した。
「ああああああああっ!!!」
遅すぎる俺の理解に隣の彰が呆れて首を緩く横に振る。
そうか、いつも歩に迫られているせいか、すっかり忘れてしまっていた。