第2章 sugar.1
「俺が下なんて当たり前だろ」
「………へ?」
なんて素っ頓狂な声。
それが俺の感想で、目を瞬かせて驚いている彰を横目に首を傾げる。
「……え、それ本気で言ってる?」
本気も何も真面目に言っているつもりだが、彰は納得がいかないようで何度も確認をとってくる。
「しつけぇんだけど。何?」
繰り返される確認作業に苛立った俺の声が強く空き教室内に響く。
彰は何か言いたそうに唸った後、顔を両手で隠して天を仰いだ。
「まっすん…」
「…何だよ」
指の隙間からこちらを伺ってきた彰に体を少し引きながら答えると、盛大なため息が返ってきて、何かやらかしてしまったのかと心臓が嫌な音を立てた。