第2章 sugar.1
「へぇ〜、そっかあ。まっすんもついに妹くんとヤったのかぁ〜」
口元に手を添えてこちらを見てくる彰の視線がイラつく。
「うるっせぇよバカ!!」
動揺を必死に隠しながらソファーの上での態勢を整えるが、俺の心情など彰には筒抜けだ。
それが癪に触り、俺はあからさまにむすっとした態度を取りつつ、急に動いた為に痛みを増した腰を労わりながら視線を逸らす。
二人の間には微妙な空気が流れている。
それを破ったのは紛れもない彰だった。
「……男とは、初めてだった?」
っ、何言って…!
その言葉に言い返そうと口を開きかけたが、視界に入ってきた彰の表情が余りに儚げで、俺は思わず口を閉じた。