第2章 sugar.1
たっぷりと歩と距離を取ってソファーに座る。
普通に座ればよかったものの、ここまで距離を取れば、まるで俺が歩を意識しているみたいじゃないかと後悔が頭をよぎる。
「真澄ぃ〜そんなに離れてちゃ寒いぃ〜」
「うわっ?!おいっ!」
そんな俺との距離をものともしない歩はすぐにその距離を縮めた。
ぐりぐりと頭を腕にすり寄せるようにして隣に来た歩はそのまま腕を絡めてきた。
「…ふふっ。真澄あったかい」
そりゃあ風呂から上がってきたばっかりだしな。
にこにこと笑みを浮かべるその顔は俺のクラスにいるどの女子よりも可愛い。
化粧をしてなくてこの可愛さなのだから、これで性別が女だったらどうなっていたんだろう。
こいつに抱かれたとか信じられないよな…。
男だと言うのも信じられなかったが、行為中の歩は確かに男の顔をしていた。