第2章 洛山高校
先「。遅かったな」
仕方ないでしょーよ…。
迷ってたんだから…。
「すいません…」
先「さて、色々渡すものもあるし、入れ」
「はい」
五分後。
ドサドサと渡された教科書、プリント類を鞄に押し込み、無理やりファスナーを閉めた。
これ以上なにか渡されたら絶対入んない。
100%ね。
先「そろそろ時間だ。ついてこい」
「はい」
私は17歳。
だから二年生になる。
先「ここが教室だ。声かけたら入ってこい」
…。
はぁ…。挨拶って大嫌い。
みんなの視線が私に集まるからなんとも言えない、閉塞感を感じる。
先「静かにしろ。急な話だが、今日は転校生が来ている」
生「え~!?」
生「転校生!?」
生「この学校転校できたの!?」
生「静かにしろ!!さあ、入ってきてくれ」
やだなぁ…。
仕方ないけどさ。
私は軽くため息をつき、中に入った。
先「じゃあ少し自己紹介をしてくれ」
来た来た来た来た…。
「はじめまして。といいます。わからないことも多く、教えて頂くことも多いと思いますが、どうぞよろしくお願いします」
適当に終わらせた。
挨拶でしょう?これだって立派な挨拶だもんね。
とにかくさっさと席につきたかった。
生「かわい~い!」
わっ…!
生「転校生だ~!!」
はい転校生ですが。
リアクション不能。
石化スイッチ入りま~…ん?
見ると、後ろの方の席で誰かが手を振っている。
実渕さん…!
初めてのクラスで、顔見知りがいてくれたときの安堵感と、純粋に実渕さんと同じクラスになれた喜びが混ざり合う。
小さく手を振り返す。
先「お前、実渕の知り合いか?」
あっ気付かれちゃった。
「はい。まあ…」
先「知り合いから色々聞いた方が気が楽だろう。机を移動させて実渕の隣りに行け」
無粋なんだか優しいんだかわからない先生…。
反抗する気なんてないからいいけどさ。