第2章 洛山高校
席につくと、実渕さんが満面の笑みで話し掛けてきた。
レ「奇遇ね!まさか転校生だなんて思わなかったわ!」
「私もです。まさか実渕さんと同じ学年で、同じクラスで、しかも隣りになるなんて」
レ「やだもう。そんな固くならないで。私達もう友達じゃないの。友達同士で敬語なんか使わないでしょ?楽に行きましょ、楽に」
「…うん!」
私はこの人がいてくれて本当に良かったと思ったよ。
「これからよろしくね、実渕さん」
レ「その呼び名もよ!!なんか他人行儀みたいで嫌だわ。名前で呼んで頂戴」
な、名前ぇ~?
れ、レオ?レオ君?レー君!?わかんない!!
なにを考えてもしっくりこない。
今まで男の子の友達なんかいなかったから…。
「ちょっと思い付かないからこの一時間だけは実渕さん呼びさせて。その間に考える」
レ「仕方ないわね。一時間だけよ?」
「わかってるよ、実渕さん」
レ「もう」
その時先生が入ってきて、私の洛山初の授業が始まった。
どうにか、まだわかる範囲だったから良かった。
けど、私がわからない単語や式が出てきたときは、実渕さんがわかりやすく教えてくれる。
本当に助かった。
…けど一番の問題がまだ残ってる。
実渕さんの呼び名という、大問題が…。
はぁ…。