第3章 洛山高校バスケ部の姿
斎希side
転校生としてやってきた子は、本当に綺麗な瞳をした子だった。
穢れを知らず…素直で…真っ直ぐ。
そんな瞳をした子。
私とは…正反対の子。
眩しい。
"アレ"がズクンと痛む。
には…コレのことを言いたくない。
きっと気味悪がって私を毛嫌いするに決まっている。
今までそうだったように。
できる限り隠していこう。
私のため、そしてのために…。
「き…つき…?斎希?」
!
斎「あ、ああ…ごめん。なに?」
「さっきからずっとぼんやりしてるけど…どうかしたの?まだ具合悪い?」
斎「あ、いや。大丈夫。ただ、今日は色々あって疲れたんだ」
「そっか。なら休んだほうがいいね。行こう」
何気なく差し出された白い手。
その手すら私には触れがたい。
私はちらっと自分の手を見た。
の手を見た後のせいか、まだ治まりきらない目眩のせいか…自分の手が黒くすすで汚れて見えた。
こんな手で触れたらが穢れてしまいそうで。
…なんでこんなにヘンな気持ちになるんだろう。
ちょっと綺麗な瞳をしたただの転校生なのに。
私はの手をとらずに立ち上がろうとした。
けどふらついて、に支えられてしまった。
斎「ありがとう。大丈夫。さあ部屋に行こう」
そう、大丈夫。
帰って休めば…元通りになる。