第5章 〜過去編〜
幼い頃の嫌な思い出を話したせいか、元々過呼吸持ちだった私は軽い過呼吸を起こしてしまった
苦しい、気持ち悪い、助けて、苦しい、気持ち悪い、助けて
そんな言葉が頭の中でぐるぐる回る
『はっ、ぁ、く…か、はっ…』
喉がひゅー、ひゅー、と音を立てて苦しい様子を物語っている
青「バッ、ちょ、ユウカ!無理すんな!」
『はぁっ、はぁっ…はっ…!』
青「ゆっくり、ゆっくりでいいから」
薄れゆく意識の中で、大輝が私を抱きしめて背中をさすってくれているのが分かった__
ガタン!
『?!』
火「ちょ、おいバカ!でけぇ音を立てんなよ!」
青「わ、悪りぃ!」
目が覚めると、何やら少し揺れていて、それとさっきまで聞こえなかった声がもう一つ増えていた
『…誰?』
火「大我だ。目、覚めたんだな」
青「悪りぃ、俺のせいだ」
『そーだそーだお前のせいだ』
青「あ?!んっだよ!人がせっかく謝ってやってんのによ!」
火「それ謝る奴の態度じゃねぇ!!」
『…でも、ありがと』
青「お、おう…別に、気にすんなよ」
火「ふーん…」
青「な、なんだよ」
火「別に…なんでもねえよ」
青「っち…」
『あ、あのさ!なんで、大我がいるの?』
青「あー、お前が気失った時に人探してたらみんなに会ってよ、」
『え?!みんなに会ったの?!』
青「おう。んで、紙袋探しに行こうと思ったらこいつに会った」
火「そんな感じだ」
『…紙袋…』
青「過呼吸に紙袋あるといいんじゃなかったんじゃないのかよ。違かったっけか?」
『ううん。そうだよ。ありがと。…で。私は、なぜ大我の腕の中、というより上にいるんでしょうか』
火「なんか青峰がパスしてきた。んで、本当だったらおぶってやりたかったんだけどよ、リュック背負ってるからこんな感じになった」
『そ、ソウデスカ…』
…おかしい。この私が世の中で俗に言う"お姫様抱っこ"だと…
それに私はこんな体験初めてだし…とりあえず慣れてない…
恥ずかしくて死ぬ。
この後降りるって言ったら大我に「お前まだ本調子じゃないんだから危なくて心配だからダメだ!」って言われた。
お前は私のパパか。