第6章 〜たったそれだけで〜
高「これは本来俺が言う事じゃないんだろうけど…お前、本当はあそこんちの子じゃないんだ」
え?
『まってまって和くん、冗談キツイ。私があそこの家の子じゃない?じゃあどこの子だっていうのよ』
高「寺」
『は?』
緑「寺だ。ここからも見える、あの山の上の」
『えっなに?いきなり言われて、私がはいそうですかってなるとでも思ったの?なるわけないでしょ』
高「だよな…母さーん」
和成がお母さんを呼んでから、和成のお母さんが私たちのいる和成の部屋に入ってきた。それから和成は今の状況をお母さんにざっと説明。どうやら今から話すことは、お母さんが私へと説明することに
高尾母「ユウカちゃん、ごめんね。いきなりいわれてびっくりしたわよね。でもね、今から言うことは嘘じゃないの、全部、事実を説明する。だから信じるか信じないかはユウカちゃんに任せるけど、黙って聞いてほしい」
『…わかり、ました』
高尾母「ありがとう。それでなんだけど……」
和成のお母さんの話からすると、どうやら本当の様で。
私は元々あの寺の子で、産みの親は私が産まれてすぐに死んでしまったようで。子供に恵まれなかった育ての親が引き取りたいとのことで引き取られた子らしい。
まあ、それも引き取りたいって言ってくれたのは父だけだったみたいだけどね。その時もあの母親は猛反対したらしい。