第5章 〜過去編〜
『真ちゃん赤くなってる。かわいー』
緑「う、うるさい!早く行くのだよ!」
『はーい』
待ち合わせの公園から離れ、和成の家へ行こうとした時。
あの道の端で、何やら焦っているような感じであたりを見回りているお兄さんを見つけた。お兄さんって言っても高校生くらいだけども。
『お兄さんどうしたの?迷子?』
緑「ユウカ、何を言っているのだよ。バカにしているのか」
『え、真ちゃんの事じゃないよ。この人だよ。どう見ても迷子っぽい迷子がいるじゃんか』
緑「だから何を言っているのだよ!」
真ちゃんこそ何言ってるの?
『こんにちは、お兄さん。こんなところでどうしたの?』
改めて話しかけると、残念ながら俺は迷子じゃないよと言われた
「こんにちは。俺、気付いたらこんなところにいて…なんか、誰も俺に気付かないんだよな。親父も、母さんも」
『そうなんだ。迷子っぽい迷子じゃない迷子だね。じゃあ私と一緒に行こ。和成ならなんとかしてくれるかな。行こ!真ちゃん』
「お、おう?」
緑「ユウカ?!う、うう腕を引っ張るな!」
高尾宅
ピーンポーン
高「おーっす!今日は遅かったな…って、その人、誰?」
「…こんにちは」
『なんか迷子っぽい迷子じゃない迷子の人がいたから連れてきた!』
緑「もう何がなんなのか分からないのだよー!」
高「真ちゃんは何で泣いてるの?!ユウカは知らない人を連れて来ちゃダメだろ!えーと、とりあえず入って!」
高尾母「あらいらっしゃーい。…?和成、この人…」
高「あー…っぽい」
その時、和成の部屋に行く途中で後ろで和成と和成のお母さんが険しい顔をして話しているのを知らなかった。
そして、これから話される事に、衝撃を受けることも…