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Hallowe’en party

第1章 紹介を兼ねたオープニング



あまりの迫力に佐々野と小野も顔を少し引きつらせるが、江島だけキョトンとしている。こういうのに鈍感なんだよな。


「……わ、わかったよ。桜原ちゃんが実は可愛いものが好きだなんて言わな…………あっ!」


ハッとしたように口をおさえるがもう遅い。
前々から、実はファンシーグッズが好きだという噂は聞いていたが、まさか本当だったとは。
それよりも、桜原の殺気で窓ガラスにひびが入りそうだ。
ここは俺の家だから余計な事をしないでほしかったな、佐々野。
いや、元はと言えば小野がハロウィンパーティをやろうだなんて言い出したのが悪いのか。


全身を怒りで震わせ、漫画だったらゴゴゴゴゴという文字が表れていそうなほどの迫力となった桜原は今にも佐々野に飛びかからんとしている。
ちなみに桜原は空手、柔道などの格闘技でかなりの実力者だ。
県大会で何度も優勝し、全国大会でも上位に入っている桜原を怒らせてしまった佐々野の人生はここで終わったな。わりといい友人だった。


「いや……あの……言っちゃったのは悪いと思ってるけど、ほら、まだ夜神達だけだし……暴力はいけないよ? 桜ちゃん」


恐怖で床に携帯を落とし、後ずさりを始める佐々野。
もちろん、桜原が耳を貸すわけがない。
後ずさる佐々野と間合いを詰めていく。これは避難した方がいいな。


「小野、いったん別の部屋に行くぞ」
「了解っす!」


敬礼のポーズをとる小野。元はと言えばお前が悪いんだからな。


「ほら、江島っちも逃げますよ……ってあれ?」


小野が首をかしげる。先ほどまで小野の隣にいた江島がいない。


「佐々野先輩、携帯落としましたよ」


嫌な予感がして振り向くと、佐々野が落とした携帯を拾いあげる江島の姿が。
なんでこいつはこんな修羅場に堂々と割り込む事ができるのか。天然にもほどがある。


「あっ……江島ちゃん、それはちょっと……」


ヤバい、という顔をする佐々野に構わず江島は、タッチパネル式の携帯を手に取った。

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