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Hallowe’en party

第1章 紹介を兼ねたオープニング



「小野ちゃんがいいんだったらいいよ」


本当に大丈夫か、江島。
将来詐欺にでも遭わなければいいんだが。
半ば強制的に江島にYESと言わせた小野は満足そうな顔。
もう何を言っても聞かないだろうな。


「私は参加しないから」


腕を組んで小野を睨みつける桜原。こういう時桜原は頑固だ。


「えぇー。やろうよ桜原ちゃん。桜原ちゃんは料理で言えばスパイスの部分! スパイスのない料理なんて不味いだけだよ」
「私に汚い手で触らないで。あと例えが微妙に間違ってるから」


相変わらず桜原の毒はキツイ。


「夜神先輩もやりますし、ハロウィンパーティーだから仮装もやりますよー?」
「かそ……っ」


小野の余計な言葉に、桜原が顔を朱色に染める。ギリ、と歯軋りの音が聞こえたのは気のせいだ。


「やってらんない。帰る」


いよいよ怒りが頂点に達した桜原が立ちあがり、玄関へと向かう。


「あぁーちょっと待って桜原ちゃん」


佐々野がリビングを出ていこうとした桜原を呼びとめる。
そして、振り向いて邪眼と言っても過言ではないほど厳しい目つきで睨む桜原に、自身の携帯を見せる。


「……何?」
「桜原ちゃんがパーティーに参加するって言わないと、桜原ちゃんの《秘密》をクラスにばらしちゃうよ?」
「!」


佐々野の言葉に明らかな動揺を見せる桜原。
佐々野の腹黒い笑みが怖いんだが。


「えぇっ? 先輩の秘密ですか!? 知りたい知りたい!」


秘密と聞いて真っ先に飛びつく小野。


「へー、桜原先輩の秘密ですか?」


おっとりと首をかしげる江島。


「夜神も桜原ちゃんの《秘密》知りたいでしょ?」
「興味はあるけど、聞こうとは思わない」


とりあえずこう答えておくのが無難だろう。あとで桜原に殺されたくはない。


「佐々野……それ言ったらコロス」


桜原から殺気が放たれ、空気が張り詰める。


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