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Hallowe’en party

第7章 エンディング



「隣、座らせてもらいますね」


気付くと、江島がにこにこ笑いながら、俺の背後に立っていた。


「あ、あぁ」


江島が隣に座ると、心臓の鼓動が速くなったような気がする。


「江島は確か、世界史が苦手だったんだよな」
「はい。周りからは意外って言われますけどね」


相変わらずおっとりとした話し方の江島。先週のパーティーに言いかけた告白が、頭を横切る。


「……夜神先輩。先週のパーティーで2人でお話しした事覚えていますか?」


突然小声でそんなことを言われ、不覚にもぴくりと肩を揺らしてしまう。


「……あぁ」
「嬉しかったですよ。―――――――先輩の告白」
「…………は?」


最後の方に付け加えられた言葉に、思考が停止する。え、いや……あのとき江島は親友のことだと勘違いして……って、え?
言葉の意味を理解すると、不思議な感覚に包まれ、周りに佐々野達がいるということをすっかり忘れ、口を開く。


「あ……いや、そのちゃんと伝わっていて良かった。俺も―――――」
「夜神先輩! ここがぜんっぜんわからないんすけど!」


まさかの邪魔が入った。
キレそうになりながら、小野の方を向くと「まだまだっすね」と言いたげに、ピースサインを向けていた。
ため息をついて、江島の方を見ると、さっさと自分の宿題に取り掛かっている。真剣に紙面へと目を向ける姿に、なんだかどうでもよくなってきた。


「夜神、これどう解くの? わかんねぇ」
「1年の範囲なのにか?」
「あ、佐々野先輩ってバカだったんですか?」
「江島ちゃんひどい!」
「国語なんて簡単っすよ」
「あんたらうるさい。集中できない。特に佐々野黙れ」


いつのものように、俺の周りは騒がしくなる。静かに勉強は無理だな。


告白はまた今度、改めて、静かなところで言うか。


ため息を再びつく。
そして、周りの騒々しさに鬱陶しさと、僅かな安心感を抱きながら、俺は教科書へと手を伸ばした。





















――END




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