第3章 友人との会話
『まあ、別に自分のいきたい大学だから押し通せばいいんだろうけど……やっぱ、親に反対されんのはキツイわーって思って電話した。そんだけ』
何が「それだけ」だ。
表面はチャラくなっても、中身は相変わらず一人で抱え込む奴だな。
「お前がそれでいいって言うんだったら、俺も反対はしないし、お前がいきたい大学にいけばいい。でも、中途半端になるなよ」
『中途半端?』
「親の反対を押し切ってまでいくんだったら、堂々としてろ。俺にそんな弱気な電話をかけてくるな」
『……夜神も桜原ちゃんに負けず劣らず口悪いなぁ……。まっ、でもサンキュな。ちょっと気ぃ晴れたわ』
佐々野の楽しそうに笑う声がする。
中学校からの付き合いだ。こいつもこいつなりに、いろいろ考えているのはよくわかる。
『そんじゃ、休憩時間終わるんで! また明日な!』
「ああ」
一方的に通話が切れた。
佐々野も忙しいだろうし、俺もそろそろ宿題をしなきゃいけない。
俺は起きあがると、机へと向かった。