第3章 友人との会話
*夜神side*
家に帰り、ベッドに倒れ込む。
特に何かをしたわけではないが、疲れがひどい。
小さくため息をつくと、枕元に置いた携帯の着信音が鳴った。小野からだ。
件名:計画を立てましたよ!
本文:どうもっす! 早速計画の内容っす。
日時・10月31日。
時間・午後17時~18時までを予定してるっす。
場所・夜神先輩の家。
その他・他の人は誘ってもOKっすよ。
あと、当日はちゃんと仮装してくる事!
他に質問あったら言って下さいっす。
待て。誰が、いつ、俺の家で開催していいだなんて言った?
本人の許可も取らないで勝手に決めるところが小野らしいと言えばそうなのだが、こっちとしては迷惑だ。
家族にも説明しなきゃいけない。
俺は小野に文句を言ってやろうかと思ったが、どうせ一斉メールで送られているだろうし、言ったところで無駄だ。
ここ半年間の経験でわかる。
仕方なく「了解」と返信をし、仰向けになる。
薄汚れた天井を見つめているうちに、江島や佐々野達の事を思い出していた。
元々それほど社交的でなかった俺は、あまり友人関係を持つこともなかった。
そんな俺が少ないけれど、パーティーをしたりメールを交換したりする友人がいるとは、本当に不思議だ。
なんだかんだ文句はあるが、それでも今この状況を楽しんでいる自分。数年前とは大違いだ。
そんなことをぼんやりと考えていると、再び携帯が鳴った。佐々野からの電話だ。
「もしもし」
『おっ、夜神?』
「どうしたんだ?」
『いやー……なんか、電話をかけたくなって』
「用がないなら切る。部活はどうした」
『えっ!? ちょっと待って! 部活は今、休憩中だから! ……いやほら、大学の事でさ』
こいつが大学の話題を出すなんて珍しいな。明日は雪でも降るのだろうか。
『俺さー……前に、K大学受験したいっつったじゃん。ちょっと自信ないんだわ』
「なんで?」
『学力とかじゃなくってさ、親から反対っつーか……』
普段の佐々野らしくなく、しどろもどろとした声が電話の向こうからする。