第2章 役割分担と買い物をしましょう
30代前半の教師――鈴木強志先生は、にかっと笑顔を俺に向けてきた。……反応に困る。
江島との買い物からまた数日後。
放課後に突然、小野から空き教室に来てほしいと頼まれた。
恐らくパーティーの件だろうが、あまり気乗りはしない。が、同じく来るように言われた佐々野に強引に連れられ、今に至る。
鈴木先生は、確か小野や江島のクラス担任だったはずだ。
「いやー、鈴木先生をハロウィンパーティーに誘ったら、二つ返事でOKしてくれたんっすよ。よかったよかった」
「全然よくない。先生も何こいつの誘いにのってるんですか。教師としてどうかと思います」
「面白そうだったし、暇だったから! ま、いいじゃんか、そんなこと! ちょうど31日空いてたし」
楽しそうに豪快に笑う鈴木先生。
本当に教師かと不安になるぐらい、いい加減だな。
「ほらほら、夜神、そんなむっつりした顔すんなよ。折角先生も参加してくれたし……俺達だけじゃ心細いだろ? だからいいんだよ」
「責任感の持てない大人が助っ人か……。むしろ足でまといだな」
「まあまあ」
とにかく、こいつらには付き合ってられん。さっさと家に帰ろう。
「って、お前、部活は?」
佐々野がバスケ部所属である事を思い出し尋ねると、佐々野は「しまった」という顔になった。……お前という奴は。
「完全に忘れてた! ヤバい! 鈴木先生、小野ちゃん、夜神! またな! ……帰宅部の夜神は暇でいいよなー」
「おう、またなー」
「あとでメールしとくっす」
俺の周りには、責任感のないやつらばっかりだな。
……それと佐々野。帰宅部だからって、暇とは限らないからな。