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Hallowe’en party

第2章 役割分担と買い物をしましょう




そして画面をしばらく見つめていたが、「へー、そうなんだー」と小さく呟いた。


「何がだ?」


嫌な予感がし、尋ねると、江島はなんの躊躇いもなく俺に携帯の画面を見せた。
尋ねた俺もどうかと思うが、メールの内容を他人に勝手に見せる江島もどうかと思う。


「小野ちゃんからなんですけど」


自分でも顔が強張ったのがわかる。
メールを送るタイミング良すぎだな、小野。
絶対にどこかで俺と江島の買い物を見ているに違いない。
俺は江島に「ちょっと待ってろ」と言うと、建物の角を曲がった。

裏通りは人気が少なく、暗い。
俺が辺りを見回すと、一瞬、草陰の中で何かが動いた。
いや、誰かが、と言った方が正しいな。
音を立てずにそっと草陰まで歩いていくと、見なれたショートカットの髪が軽く揺れた。


「……小野」
「やっ、夜神先輩!?」


やはり小野だったか。
手には最近発売されたタッチパネル式の携帯が。
こいつが、役割分担のあみだくじを作った時から薄々こうなるんじゃないかと思っていたが、的中だな。


「何やってんだ」
「夜神先輩と江島っちのデートを写真に撮ったんっす! えへっ」
「何が『えへっ』だ。下手に隠そうとしないだけマシだが、俺と江島はそんな関係じゃないし、迷惑だから帰れ」


少し強めに言うと、小野はうなだれてわざとらしくため息をついた。


「ついでにその写真も消しとけよ」
「はーい……」
「それに買い物はどうしたんだ。お前と桜原と佐々野は道具を買う役だったろ」
「途中で抜けてきました!」


こいつの辞書には責任感という言葉がないのか? ないんだろうな。
自分で決めておいたくせに、ろくなことをやらないでサボってるなんて……。
これ以上関わっているのも時間の無駄なので、小野に写真を消しておくように釘を刺し、俺は江島のところに戻った。

……それにしても、小野が俺の江島に対する想いを知っていた事に驚きだだ。
精神年齢は10歳ぐらいのくせに、意外と見ているんだな。


 ▼◇▲


「今日は助っ人を連れてきましたー」
「おう、よろしくな!」


10月某日。

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