第2章 秘密
冗談だって、と笑う浩介と一緒に校内の外にでるとまだ少し冷たい風が体をすり抜けた。
「ただ大学に行こうとは思ってねぇんだよなー」
「へぇ…」
そう言って頭の後ろで腕を組んだ浩介を促すと彼は言葉を紡いだ。
「行くなら専門かなー。そっちのが、将来安定じゃね?」
まあ、確かにそうなのかも知れない。
進路説明会の時に何処かの講師が、将来が決まってないやつは大学で夢を探すのも一つの手だと言っていた。
大学か専門か就職か…。
考えれば考える度に答えが出ない気がして、俺はそれ以上考えることをやめた。
「頭使うとお腹減るわ。何か食って帰る?」
浩介の提案に賛成しようとした所で、タイミングよく携帯が振動した。