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曖昧少女に酔いしれて。

第2章 秘密


二つの平たいお皿の上に出来上がったばかりのケチャップライスを盛り付けた俺が、次の作業に取りかかったところで彼女は立ち上がった。

ボウルの中に卵を割り入れる俺の隣で二つのスプーンを用意した彼女は、また定位置へと戻っていく。

「…ありがとう」

「ん…」

いつもこうして俺がご飯を作るとき、彼女は箸を並べたり飲み物を用意する。

それは彼女が自分の中で決めているルールのようなものらしい。

布巾でテーブルを拭き、用意したスプーンを置く。

水で洗い流した布巾を片付け飲み物を用意すると、彼女は腰を下ろしてまたさきイカをかじり出した。

俺はフライパンの中で形を整えた卵を二つのお皿の上に盛り付ける。

半熟の卵と、完全に固まった卵。

彼女は半熟が苦手なのだ。


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