第2章 秘密
「明日のHRでその紙は集めるから、お前らなくすなよー」
その担任の言葉を最後に、教室内にいた生徒達はバラバラと帰りの帰途につく。
俺は机の上にある進路希望調査の紙を睨んで、うーんと唸り声を一つ。
「純(しゅん)ー」
そんな俺の前にやってきたのは、すでに帰りの支度を済ませた友達の姿。
あっけらかんとした浩介(こうすけ)は俺の手元を覗き込んで、眉を寄せた。
「進路なんて考えたくねぇ…」
「…それは同感」
でもこれは高校3年生になれば誰にでも訪れる試練。
俺と浩介は同じ部活で一番仲の良い友達だ。
すでに部活を引退した今も同じクラスと言うことで仲良くしている。