第2章 秘密
「…っつ!…ふっ…」
もぞもぞと彼女が動く度に痺れている俺の足に刺激が走り、ビリビリとした痛みとそれに我慢出来ない笑いが口から零れる。
彼女を起こさないようにと手のひらで口を抑えて必死に笑いを耐える俺の姿は、はたから見れば酷く滑稽なことだろう。
「……ん」
体を捻りながら必死に声を我慢している俺の状況などお構いなしに、彼女は小さく声を漏らすと腰の辺りに細い腕を回した。
っえ?!
思わずビクッと体を下げると、それを許さないとでも言うように彼女はその腕に力を込める。
少し力を入れただけで折れてしまいそうな彼女の腕に、一体どれだけの力が隠されていると言うのか。
むぎゅっと俺の胸元より下の鳩尾の辺りに埋まる彼女の顔。