第2章 秘密
あくびを噛み殺してぼーっと天井を見上げる。
部屋の中に響くのは、暖房の音と時を刻む時計の針の規則正しい音だけ。
彼女が枕代わりにしている俺の足はそろそろ感覚が無くなるくらいに痺れているが、せっかくのこのシチュエーションを逃したくないが為に我慢している。
すやすやと寝息を立てる彼女の頭をゆっくりと撫でる。
さらさらと手のひらから滑り落ちる、細く綺麗な漆黒の髪。
薄く開いた唇。
閉じた瞼から伸びる長いまつ毛がそこに影を落とす。
陶器のような真っ白な肌に血色が戻っていく。
暖房の暖かさにまたうとうとと眠気が襲ってくるが、折角無防備な彼女が俺の太ももの上にいるのだ。
寝るのは勿体無い。