第2章 秘密
丁度その時彼女がゴロンと寝返りをうち、ぱさっとタオルケットが床に落ちた音がした。
「…起きた?」
ゴソゴソと動く彼女に声をかけると、ソファーに寝転がったままこちらに視線を送る。
少しトロンとした寝起きの彼女の顔。
「甘くして…」
ふあっとあくびを噛み殺した彼女のいつもの要望に答えて砂糖を二杯入れる。
「さきイカとショートケーキ買ってきたけど、どっちか食べる?」
「……」
少し考えると彼女はソファーから立ち上がり、俺の隣にしゃがんで冷蔵庫からショートケーキを取り出す。
湧いたお湯をマグカップに注いで甘めのミルクティーを彼女に差し出した。
「ありがと…」
ぽそっと呟いてそれを受け取る彼女と一緒に、俺はリビングへと戻った。