第1章 死を運ぶ文鳥
そして、全てを話した。
透はその間真剣な表情で私の話を聞いていたが、本当に信じてくれただろうか。
冗談はやめろって、笑い飛ばされるだろうか。
はたまた、お前のせいで死ぬかも知れないんだぞと、罵られるだろうか…。
そんなことを考えていると、透は私を優しく抱きしめてくれた。
「え…透?」
「………」
少しだけ、抱きしめる腕の力が強くなる。
「辛かっただろ」
そう言って、頭を撫でられた。
ただそれだけなのに、涙が溢れる。
今まで堪えていたモノが、一気に出てきた様に、涙が溢れて止まらない。
透は何も言わず、優しく頭を撫で続けてくれた。
本当に、優しい人だ…。
死んでしまうかも知れないのに、優しくしてくれて、側に居ようとしてくれて…。
嬉しい。
だけどその分、辛い。
目の前で彼をなくしてしまったらどうなってしまだろうか。
正気で生きていけるだろうか。
どうか、どうか死なないで。
もう誰も、死なないで…。