第3章 蜀に行きましょう。
「遠さん、お待たせ!ごめんね?」
「いや、大丈夫。」
遠さんは、小さく微笑んで
私の頭を撫でる。
「私、なかなか起きなかったでしょう?」
「・・・・・そうだな。」
やっぱり・・・・・
溜息を漏らす。
「私、凄く寝起き悪いの。
だから、なかなか起きなかったら
叩き起してね?」
遠さんは困ったような表情で
少し悩んだ後、頷いた。
「みんな、もう起きてる?」
「そうだな、朝ごはんを
食べてる。」
「えっ、それじゃ急ごう!」
「わかった。」
走ろうと足を踏み出したけれど
何故か後ろに引っ張られる。
「え?」
目の前が一瞬白くなったと思ったら
目の前にはさっきまで
なかった扉があった。
「ついたぞ。」
「凄いねぇ。」
いつ見ても、不思議な感覚。
遠さんが扉を開けてくれた。
中に入ればみんなもう
揃っていた。
「おはようございます、優希。」
「おはよう。みなさん
お待たせしてすいません。」
「気にしなくていいよー?
今からご飯食べるところだし。
姫、おはよー♪」
ニコニコ笑顔で挨拶をする
雷さんに私は笑顔を浮かべた。
「雷さん、おはよう。」
「優希、おはよう。
今朝はよく眠れただろうか?」
「劉備様、おはようございます!
グッスリ眠れました!」
それは、よかったと
優しく微笑む劉備様。
なんだか安心するなぁ・・・・・
それから、関羽さん、張飛さん
趙雲さん、馬超さんに
挨拶をして、並べられた朝食の
テーブルに座る。
「美味しそう〜
それに、私の好きな朝食!」
「お気に召しましたか?」
ニコリと微笑む静さんに
私は笑顔で頷いていただきます!と
手を合わせた。
「その挨拶はなんですか?」
趙雲さんが不思議そうに
問いかけてきた。