第4章 蜀につきました
「はじめまして、私は諸葛亮。
字は孔明と申します。」
「私は、優希です。
よ、よろしくお願いします・・・」
扇子のような羽を
ヒラヒラさせながら微笑むのは
諸葛亮さん。
何故か分からないけれど
凄く緊張する・・・
私の顔は今、絶対に
引きつっているに違いない。
「それで、こちらは・・・私のえっと・・・」
「はじめまして、姫に仕える
静と申します。
こちらが、遠と雷です。」
「殿からお話は伺いました。
あなた方は神だと・・・」
「えぇ。」
「よろしければ、その力
見せて頂けませんか?」
ニコリと微笑むその顔に
私は何かを感じた。
それは、彼らもそうみたいで
少し表情が変わる。
「出来れば、宴の場で。」
「え、宴?」
「はい、殿はあなた方を歓迎しています。
歓迎の表しとして宴を開くと
おっしゃっています。なので
皆さんが集まる場所で
披露して頂ければと・・・」
「なるほど〜まっ、その方が
手っ取り早いよねー?
何かあった時も。」
可愛らしい笑みが冷ややかな
物に変わる。つまりは疑われてる?
「軍師でいらっしゃいますからね
それは仕方がない事でしょう。
分かりました。」
「ありがとうございます。
それではよろしくお願いしますね。」
諸葛亮さんは一礼して
そのまま去ってしまった。
「緊張しちゃうな・・・」
「・・・・・・普通の奴なら
誰でもそうだろ。」
遠さんは私の頭を優しく撫でる。
これからどうするのかな?
宴があると言ったけれど
どこで、いつなんだろうか。
そう思っていると、女の人が2人
声をかけてきた。
どうやら、宴が開かれるため
着替えをするみたい。
この服がいいけど目立っちゃうし
宴には合わないか・・・