第3章 蜀に行きましょう。
「ん・・・」
意識がゆっくりと浮上する。
ゆっくりと目を開ければ
目の前に見知った人が
座っていた。
目を見開いて固まる。
寝起きの頭じゃ考えられず
混乱した。
「あ、あれ・・・?」
なんでここに遠さんがいるんだろう?
「おはよう。」
慌てて体を起こす。
すると遠さんが近づいてきて
頭を撫でてきた。
「寝癖がある。」
「あ、ありがとう・・・」
じゃ、なくて・・・!
「遠さん、なんでここに?」
「起こしに来たんだよ。」
「え?」
「もう少しで出発するらしいから
起きて、朝ごはん食べよう。」
そうだった、忘れてた。
私の寝起きの悪さを。
今までアラームがあったから
よかったけれど今はない。
アラームで起きれるのも
怪しいくらいだったのに
それがなければ自力で起きるなんて
難しい。
なかなか起きて来ないから
こうして起こしにきてくれたんだ。
「遠さん、わざわざありがとう。」
「別に。それより
優希着替えよう。
俺、出てるから。」
それだけ告げて遠さんは
部屋を出ていった。
私は遠さんを待たせるのも
悪いから、急いで着替える。