第3章 蜀に行きましょう。
眠気が酷かったので
お風呂も手短に済ませて
着替えを済ませた。
どうやって帰ろうか?
と、疑問に思った瞬間
さっきの感覚がまたやってきて
目を閉じた。
次に目を開けば
目の前には、私の部屋。
「優希、おかえりなさい。
早かったんですね。」
静さんが笑顔で迎えてくれた。
「あれ?」
いつの間に・・・と
ビックリしていると
静さんが優しく髪を拭き始めた。
「まだ、濡れていますよ。
風邪引きますから。」
「あ、うん。
ありがとう・・・」
「優希がお風呂から出てくる
気配がしたので、力を使って
部屋にまで移動させました。
場所分からないでしょう?」
「そうだったんだ。」
なんて、ファンタジー?
神の力は、そんなことまで
できるのか。
っというか、神だから
できるのだろうか?
「優希眠たそうですね?」
「うん・・・」
「それじゃ、すぐ寝ましょう。」
静さんの優しい声が心地いい。
頭を撫でられて、ふわりと
温かいと思ったら
髪が乾いている。
静さんの力だろう。
「はい、これで寝られますよ。
寝室まで案内しますから
ゆっくり寝てくださいね。」
「静さん、何から何までありがとう。」
御礼を言えば、静さんは
キョトンとした後くすりと
優しく微笑んで私の頬に
手を添えた。
「私たちがしたくて
やってることですから。
それに、優希のためなら
お安い御用です。」