第3章 蜀に行きましょう。
「あっ、でも私お金持ってない・・・」
「 そんなことは気にしなくてもよい。」
劉備様が優しく微笑む。
でも・・・と渋る。
蜀につくまで長い。
できるだけ無駄なお金は
使わない方がいいんじゃ
ないだろうか?
だって、本来なら
私達はいないはずだったんだから。
「それなら優希、私たちに
任せて下さい。
優希が泊まる場所
用意しますから。」
「本当?」
「はい。だから優希は
心配しないでください。」
「あっ!それなら
劉備様達も一緒には駄目?」
それなら、劉備様たちも
お金を使わずにすむ。
節約になるだろう。
「優希が望むなら
そのようにしますよ。」
「それじゃ、お願いします。」
「しかし、迷惑では
ないだろうか?」
劉備様が困ったような表情で
静さんに問いかける。
「大丈夫ですよ。」
「礼を申す。」
「神の力って奴を使うのか?」
「むっ・・・翼徳。」
好奇心いっぱいの表情の張飛さんに
関羽さんが、たしなめるように
名前を呼んだ。
見たことある光景だ・・・
本当にトリップして
来ちゃったんだなぁ・・・
「優希殿?」
「あ、え?」
名前を呼ばれて
意識を戻せば、趙雲さんが
心配そうにこちらを見ていた。
「大丈夫ですか?
お疲れでしょうか。」
「あ、大丈夫です。」
「無理はするなよ?
先はまだまだ長いからな。」
「馬超さん、ありがとうです。」