第3章 蜀に行きましょう。
「蜀にはどれくらいでつくの?」
後ろにいる遠さんに視線を向けて
問いかければ少し考えた後・・・
「2日くらい、だな。」
2日、という日にちに
目を丸くした。
そんなにかかるんだなぁ・・・
でも、楽しみだ。
「優希、これをかけて下さい。」
静さんに渡されたのは
淡い水色のひざ掛けだった。
今の自分の格好を見て
あ、と口に手を当てた。
そう。トリップしたままの
服装だから、スカートだった。
「静さん、ありがとう。」
全然気がつかなかったなぁと
思いながら、ひざ掛けを掛けた。
「ねー遠〜、俺にも
姫さんを渡してよー♪」
「遠は駄目です。
大人しくしていてください。」
「ヒドいな〜」
雷さんが手を差し出せば
すかさず、静さんが拒否した。
首を傾げれば遠さんが
呆れたように溜息を漏らす。
何でそんなに、雷さんに
警戒しているんだろう。